2016年2月24日水曜日

ハリアナ州の暴動について


先週末、ハリアナ州で暴動が発生し、首都デリーに水を供給しているムナク運河が破壊されました。軍隊が投入されるなどして暴動自体は沈静化したものの、デリーでは依然として水不足が生じているようです。

20人近い死者を出したこの暴動はなぜ起きたのか、気になったので調べてみました。

暴動の元となったデモを始めたのは「ジャート (Jat)」と呼ばれる主に農業を営むカーストコミュニティー。彼らは現在は上位カーストと分類され、比較的裕福とされています。

しかし、農業の不振、さらには民間で職を得ることの困難さのために、彼らの一部は自分たちを低カーストからなる「後進諸階層(OBCOther Backward Class)」と認めるように要求しています。「後進諸階層」に対して公職への就職や教育機関への入学に優先枠が設けられているためです。

2014年、一旦は中央政府が「ジャート」を「後進諸階層」に分類することを決定しますが、翌2015年に最高裁がその決定を覆します。「ジャート」は「後進諸階層」には該当しないとの判断を下し、ハリアナ州を含む9つの州で「ジャート」に対する優遇制度を却下しました。

このような流れを経て、今回、「後進諸階層」への分類を求めてデモを行っていた「ジャート」の人々が暴徒化したというのが事の真相のようです。
暴動を受けてハリアナ州では「後進諸階層」の優先枠とは別に、「ジャート」への優先枠を設けるという話がでてきています。

比較的裕福とされるカーストコミュニティーが「後進諸階層」への認定を求めてデモを起こし、暴動に発展するという事象は、昨年8月にも西部グジャラト州で起きています。

この件に関して論じるには小生では知識不足を否めません。しかしながら、原因が貧しさと歪な制度、社会状況にあることから同様の事件が再度起こる可能性は高いでしょう。情報に気を配り、巻き込まれぬよう十分に気をつけたいところです。



参考
BBC:断水のインド首都、一部で給水再開 

BBCCaste unrest: Why India's farm communities are angry

NDTVJats To Get No Reservation Under OBC: Haryana Chief Minister

JETRO:アーメダバードでカーストに絡む暴動が発生-進出日系企業にも一時、影響-

2016年2月3日水曜日

世界遺産フマユーン廟

先の日曜日にデリーにある世界遺産フマユーン廟へ行ってきました。
その名の通りムガル帝国の皇帝フマユーンの墓廟です。
















フマユーン廟を背景に記念撮影する観光客
















フマユーン廟にはたくさん鳥がいます。

















イスラム幾何学模様1

















イスラム幾何学模様2

















イスラム幾何学模様3

















フマユーン廟内

















フマユーン廟からの眺め





廟の周りにはキレイに整備された庭園が広がっており、ピクニックをしている人たちもいました。


フマユーン廟まではデリーメトロ Violet LineのJLN Stadiumから歩いて行ったのですが、目的地に近づくにつれ非常に小便くさくなってきて鼻がひん曲がるかと思いました。というわけで、徒歩はお勧めしません。

フマユーン廟自体は言わずもがな、一見の価値ありです!